青春時代

友達が彼女に財布を渡し、今日も
パンを買いに行かせた。

それを横目で見ながら俺は嫉妬した。

「どうして、奴には彼女が出来たんだ?」

「どうすれば、俺にも出来るんだ?」

心の中でそう叫び、俺はどうすれば
あいつのように彼女が出来るのか考えた。

今では笑い事のような話だが
中学1年の時の俺は、彼女という
ものが、どうすれば出来るのか
点で分からなかった。

この頃俺は同じクラスの純子と話して
いるうちに、彼女をどんどん好きに
なっていった。

そして何時も彼女を遠目で見ていた。

それは小学生の時の近所の千里と遊ぶ
感覚とは全く違うものであった。

はっきりと異性として意識
しだしたのだ。

俺だけに目を向けて欲しい。
俺の為に行動して欲しい。
女を所有したい。

そんな男としての自我が芽生えて
きたのだ。

自分でも驚いた。

この気持ちって何なんだ?と

そう、これこそが「恋心」であり
それで悩む事が「恋わずらい」で
ある事を随分経ってから知る事になる。

そしてまさかそれがこの歳になっても
未だに続くなどこの時は想像も
つかなかった。

多分死ぬまで「恋心」と「恋わずらい」
この2つの言葉から逃れられそうにない。

そしてその気持ちは遥か未来には
異国の東南アジアレディ達にまで
及ぶとは・・・。

この頃は知る由もなかった。
人生とはまさに筋書の無いドラマだ。

いや、俺の場合は違う
恋愛とはまさに筋書の無いドラマだ。


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