青春時代

俺が生まれて初めて女にプレゼント
しようと思ったのがこの時であった。

それは自然と出たものだ。 

純子の気を引きたい。
どうすればいいのか?

その先の結論がプレゼントであった。

この先俺は女がプレゼントに弱い
事を知る。それもサプライズなら
更に効果が高い事も。

別に金額は関係無く、とにかく
女はサプライズに弱い。

それもプレゼントにだ。

勿論渡す相手の好みなどを事前に
周知していれば、それはそれで
喜び指数はさらに上がるだろう。

そしてそんな考えの原点がこの
純子へのハンカチのプレゼントで
あった。

純子は俺が差し出したプレゼント
に驚いていたが、物凄く喜んで
いたように思える。

プレゼントは彼女の名前の刺繍を
入れた心を込めたハンカチだ。

ただし、俺が店で入れて貰った
名前の刺繍は「ZUNKO」であった。

よく高校野球などで「痛恨のエラー」
そんな言葉を聞く事がある。

それは勝ち試合を目前にして
何時もなら当たり前のように捕球
出来るボールを取り損ね

相手に逆転を許してしまい負け試合
になってしまったりする時に使われる。

まさにこの時の俺はそう呼べる
ものであった。

純子の喜ぶ顔に俺は勝利の予感
がし、手応えを感じた。

しかし、まだ慣れていないローマ字
など、かっこつけて使ったものだから
俺は純子を失う事になる。

当たり前のように普通に漢字で
良かったのだ。

まさに「痛恨のエラー」であった。

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