青春時代

今の俺なら 間違いなく気に入った
女が入れば、片っ端から口説いて
いただろう。

学校なんて四六時中回りに6時間
以上も一緒に女達がいたのだから。

勿体無いと後悔していると言ったら
笑われるかもしれないが、何て
勿体無い事をしたんだ。

しかし、流石に中学生だった俺は
恋に憧れるだけの普通の学生だった。

時折ニュースになる、中学や高校
の男性教師が女子生徒に手を
出してしまう気持ちは俺には分かる。

俺が仮に教師になっていたら
間違い無く我慢出来なかったと
思えるからだ。

久美子の席の前になった俺は彼女を
常に意識していた。

彼女は俺が話掛けると何時も笑顔で
応えてくれたのだが、どうしても
それ以上が踏み込めない。

いや、彼女自身が何か壁を作っていた。

そんな気がして俺は彼女に対して
今一つ近づけない距離に置かれて
いたのだ。

しかし、ある時その原因が分かった。
それは久美子からのこんな言葉で
あった。

「M君、実はね。」

「え?何?」

俺は久美子から何かいい話が聞ける
のでは無いかと期待した。

ところが・・・。

「徳子があなたを好きだって。」

俺はその言葉に驚いた。

「え?俺を好き?」

「誰が?」

「徳子(のりこ)が?」

生まれて初めて自分の事を好きだ
と言われた瞬間であった。

しかしその相手は、ほとんど会話も
した事の無い寡黙な同級生だ。

久美子がチラッと徳子を見て微笑ん
でいた。

遠くからじっと好きな人を見続け
そしてそれを胸の中に秘める。

そんな恋がある事を知ったのが
この時から始まる徳子との出会い
だった。

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