青春時代

徳子が俺を好きだと聞いて、突然
意識し始めた。 考えると随分勝手な
ものだ。

ついさっきまで、久美子に惚れていて
何とか俺の彼女にしたい。そう思って
いたのに

徳子が案外タイプでもあったので
あいつでもいいかと、そんな不謹慎な
気持ちで徳子を意識し始めたのだ。

ただ、俺の事を気に入ってくれていても
俺はどうすればいいのか全く分から
なかった。

中学生はやはり所詮中学生だった。
恋愛のイロハが全く分からない。

彼女が欲しいと思っても、いざどの
ようにすれば、相手に近づく事が
出来るのかが分からない。

ところが、そんな俺に神の救いの手
が伸びた。

徳子が俺に手紙をくれたのだ。

多分、久美子が彼女に話したみたい
であった。

あなたの事を言ったよ。M君に。
多分、そんな感じだろう。

女の方が遥かに男より度胸がある。

徳子は全く目立たない存在なのに
俺に手紙を書いて渡してくれたのだ。

何も出来ず悶々としてた俺とは正反対
だ。男として情けない限りであったが
中学の時の俺は、まさにチキンで
あった。

久美子から彼女の話を聞かされた
次の日の昼の休み、教室が静かに
なり始めた頃、徳子が俺に近づいて
来た。

昼は食事が終わると、ほとんどの
生徒がグランドや廊下のロビーで
たむろして時間を過ごしていた。

なので、何時も教室には数人しか
残っていない。

俺は人と絡むのはあまり好きで
なかった。なので、何時も昼休み
は教室で寝ていたのだ。

そんな俺にその日徳子が近づいて
来た。

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