覚醒タイランド
女の喜ぶ顔。
それは俺の心を幸せにさせる。
この歳になってもだ。
不思議だ。女の笑顔の魔力は
底知れぬ力を秘めている。
男達はその一瞬の笑顔の為に物凄い
努力や出費を惜しみなくする。
俺がLBに詰め寄られ、それを見て
ポーが笑っていた。
そんなポーを見て俺は俄然嬉しく
なったのだ。
そうかポーはこんなノリが好きなのか
そう思いその波に乗る事にした。
笑いのウェーブにサーフする。
女が喜ぶツボは人それぞれだ。
どんなポイントで彼女が笑って
くれたり、喜んでくれたりするのか
見極めなければいけない。
女とは自分を楽しませてくれる
男が基本的に好きだ。
そして女を楽しませる事により
彼女達はその対価として男に
快楽を与えてくれる。
ポーは自分の知り合いのLBと俺との
絡みを楽しんでいた。
ようし、それならとことん楽しませ
やろう。
俺はLBにドリンクをOKしてやった。
最初はビールを持ってきた。皆で
乾杯する。そのうちLBがテキーラ
と言い出した。
俺はそれが何か分からなかった。
実はタイで遊びだすまで、テキーラ
という飲み物を知らなかった。
いや、存在自体は聞いた事があったが
見た事も、ましてや飲んだ事も無かった。
しかし、ハイテンションの俺は何でも
OKだった。それにポーがいるので
安心だった。
今、考えると何が安心なのかさっぱり
分からないのだが、PBした時点で
自分の女を連れて飲みに来ている
ような安心感があったのだ。
笑えるのだが、俺にはタイの彼女が
そばにいる。ポーの店を出た時点で
そう思い込んでいた。
大きな勘違いなのだが、だからこそ
疑似恋愛と言われる所以なのだろう。
タイの彼女が付いているから
ボッタクリは無いだろうぐらいの
アホさ加減だ。
皆はどうなんだろう?
俺はバカなので、PBした時点で
その女が俺の彼女だという
勘違いスイッチが入るのだ。
ポーとこの店がつるんでいれば
俺は最高にいいカモであったろう。
実際、キックバック欲しさに違う店に
連れて行くレディもいるようだ。
夜の世界、そんな事はあって当たり前
だろう。
この時、ポーがこの店とつるんでいたか
どうかは定かではなかったが、そんな事
は別にどうでもよかった。
能天気な俺は、その場が楽しければ
それで良かったからだ。
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