覚醒タイランド
日本に帰ってからもポーの事が
頭から離れなかった。
何という事だ!
本気で好きになってしまっていた。
俺は居ても立っても居られなくなり
2週間後また、タイに行く事にした。
ポーと会う為だ。
それを友人に伝えると大笑いされた。
まぁ、遊びなれている友人からすれば
あ~あ、馬鹿だなハマってしまって。
そんな感じであったのだろう。
しかし、俺は誰に何を言われても
良かった。そのぐらいポーが好きに
なった。
俺のように、タイの夜嬢に一発で
虜にされた男達は大勢いるのでは
ないだろうか?
それ程彼女達の肢体や優しさは
魔力を秘めている。
航空券を購入し、ポーにタイに行く
事を伝える。
彼女は「マッテル。」そのような
返事をくれた。
そして2週間後、今度は一人でタイ
に行った。
当時俺は海外での仕事をしていた。
なので1度場所さえ教えてもらえれば
次からは自分で行けた。
特にうろたえる事も無く、バンコクに
行き、前回同様シーロムのバリーズに
泊った。
夜が待ち遠しかった。
いや、夕方にはポーと待ち合わせして
いた。
俺がタニヤの入口付近で待っていると
ポーがタクシーから降りてきた。
嬉しかった。
また彼女と再会出来たからだ。
「よぉ!」
俺は彼女に手を挙げ合図した。
彼女は少し、はにかんだ笑みを
浮かべこちらに近づいてきた。
タニヤの夕暮れが2人の再会を
祝福してくれる。
タニヤ通りはまだその息を潜め
静けさの中で眠っていた。
当然彼女の店はオープンして
いなかったが、彼女に連れられ
店に入るとママさんがいた。
先にPB代を払って欲しいようだった。
気兼ねなく俺と過ごしたかったの
だろう。
俺は毎日支払いに来るのが面倒だった
ので、滞在日数分まとめて払いたい
そう言った。
ママは流石にタニヤのママだけあって
完全に日本語が話せ、理解してくれた。
そしてタイ語で何かポーに言うと
ポーが頷いていた。
ママさんが「カノジョニ・イイヒト
デキテ・ヨカッタネ。」そう言った
のよと翻訳してくれた。
そうなのか、俺はいい人なのか。
単に上客の意味なのだが、馬鹿な
俺は単純にその言葉に喜んだ。
彼女と外に出ると食事に行こうと
言われ、シーロム通りからタクシー
に乗る。
何処にいくのだろう。
彼女に「何処に行くの?」
そう聞いても、まだ日本語が堪能
で無い彼女は返事が面倒だったのだろ。
「レストラン。」
素っ気ない返事だった。
しかし、俺は満足であった。
彼女がそばにいるだけで・・・。
タクシーの中でまたポーと同じ時間を
これから過ごせる。
そう思うと俺の身体はタイの熱気よりも
熱くなった。

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