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青春時代

その日、久々に陽子と帰った。

以前なら当たり前のように一緒
だった彼女との通学が、別れて
みるとこんなにも楽しかったのかと 
再認識した。

陽子と仲直りの記念に次の日曜日
遊びに行く事にした。

俺の住んでいた電車で1時間ぐらい
の大きな公園にだ。

そう言えば俺は陽子と通学や教室
デートだけであまり遊びに行った
覚えが無かった。

何て気が利かないBFだったのだろう。

なのでお詫びの気持ちも込め、陽子
を誘ってデートした。

ただ、何だか休みの日に会うと
照れ臭かった。

あれだけ沢山の時間を一緒に過ごした
のに、学校の外で私服で会うという
のは非常に新鮮だった。

俺と陽子は住んでいる場所が違った
ので、俺は陽子の住む場所の駅まで
迎えに行ってやった。

これが俺のジェントルマン精神の
走りだったかも知れない。

俺は自分で言うのも何だが、今では
物凄く気が付くし気が回る。

ただ、高校生ぐらいまでは本当に
鈍感な男であった。

しかし不思議なもので、俺は段々と
女がどうすれば喜ぶのかが分かって
くるようになる。

それをこの高校2年の頃から徐々に
意識しだしてきたと思う。
女を喜ばせたいという心理だ。

そしてこの後、大学生になり
ある物凄い人物と出会ったお陰で
女に対しての扱い方スキルが
各段にUPした。

駅で待っていると陽子が来た。

私服の陽子も凄く可愛かった。
この時、薄く化粧もしていた。

後で聞くと、この日の前日は
着て行く服を夜中じゅう悩んで
あまり眠れなかったと・・・。

俺は女のそんなところがたまらなく
可愛いと思える。

自分を相手から少しでも可愛く
見られたい。

なので、どんな服装でどんな髪型で
どんなメイクがベストかと鏡の前で
懸命に悩む。

そんな女の本能的なものが彼女達も
成長していくにつれ自然と身に
付いてくるのだろう。

電車が目的の場所に着く。

2人で降りて改札を出ると、いきなり
目の前に広大な緑の敷地が広がって
いた。心を一気に開放してくれる。

俺は陽子と初めて手を繋いだ。

通学ではさすがにそこまでは
出来なかったからだ。

しかしこの時実は、陽子から手を
繋いできた。

俺は少しびっくりした。
多分ずっと手を繋ぎたいのを我慢
していたのだろう。

俺の考えなのだが、女は自分から
行動する事を抑えるような気がする。

欲望があってもだ。女から欲望を
見せる事を恥ずかしいと感じて。

そして男に主導権を握って欲しい
そう思っているのではないか。
その欲望に気づいて欲しいと。

あの人が誘ったからとか、あの人
からこうしてきたとか・・・。

あくまでも自分は受け身である
ような位置づけでいたいような
気がする。

自分からは欲望は出していなかった
そう自分自身に言い訳したいが為に。

例えば大人しそうな女とベットイン
すると突然牝豹のように荒れ狂う
女がいる。

本当に驚かされる。

しかし、普段はそんな雰囲気を
おくびにも出さない。

それどところか下ネタさえ一切
言わない。

ホテルに誘うと驚いたような顔する。

しかし、いざベットインすると待って
ましたの如く牝豹に変わったりする。

その悶え狂う姿に本当に同一人物
なのかと疑いたくなる事があった。

それも1度や2度では無く・・・。

女は自分の性の欲を開放してくれる
きっかけを待っているのではないか。

スマートにそして限りなくスィートに。
自分の気持ちを納得させてくれる
ように。

そして生まれたままの姿になると
女は突然大胆になる。
その瞬間スイッチが入るのだろう。

自分の生まれたままの姿になると
相手に全てを見られているという
その羞恥心で発火するのかも知れない。

俺は自分なりに女の定義をそう
感じるようになった。

今思い返すと、高校生の頃なんて
まだまだ女の扱いの「あの字」にも
たどり着いていなかった気がする。

陽子が手を繋いで欲しいという欲望
を俺は全くキャッチ出来ていなかった
からだ。

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