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青春時代
誰もがファーストキスの思い出が
あると思う。
俺の場合それが陽子とのこの公園
デートであった。
俺達は手を繋いでゆっくりと歩いて
いた。
季節は桜がそろそろ散り始めの頃。
春の優しい風が時折流れ、桜を少し
づつ散らしていく。
風に負けた桜がそよ風に乗りワルツ
を描き思い思いの場所に散っていく。
その花びらの一つが陽子の髪に落ちた。
俺はその光景を見て何とも言えない
愛しさを彼女に感じた。
花びらが髪に付き、更に彼女の
可愛さを引き立ててくれたからだ。
桜という花は凄い魅力を持つ日本の
伝統とも言えるバラ科の樹木である。
僅か花びら1枚が陽子の髪に落ちた
だけで、その様相が変わり物凄い
愛しさが沸いてきた。
俺と陽子はさらさらと散る桜吹雪の
間を歩いていた。
俺が彼女の髪に落ちた花びらを見て
余りの可愛さに微笑んでいた。
「なに?なに?笑ってるの?」
陽子は自分の髪に花びらが落ちた
事に気づいてはいない。
俺が「桜の花びらが付いてるよ。」
そう言うと「えーとって~。」
そんな風に甘えてきた。
俺は笑いながら花びらを取ってやる。
「ほら。」
彼女にその花びらを見せてやった。
それを見て彼女も微笑んだ。
その時俺と陽子の目があった。
回りには誰もいない。
俺は衝動的に彼女に近づいていった。
陽子も俺が何をしたいのかが分かった
ようで目を閉じた。
俺は彼女の肩に手を置き、彼女の唇に
自分の唇を重ねた。
まるで俺は回りの時間が止まった
ように思えた。静かだった。
その瞬間俺の中で全ての時間が止まり
物音一つ聞こえなかった。
静かな桜並木の中で俺達のファースト
キスが終わった。
黙って再び歩きだす。
何だか俺は大人に1歩近づいたような
気になった。
この俺がキス?
自分でも全く予定していなかったのに
どうしてそんな事が出来たのか、今でも
不思議で仕方ない。
ただ、これだけは今でもはっきりと
覚えている。
それは陽子の唇はまるで舞い落ちて
くる淡いピンクの桜の花びらのよう
であった事だ。
そして桜が散ってしまうように、陽子
という名の桜もその後散ってしまう。
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