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青春時代

いよいよ卒業式がやってきた。
中学の時とは違う感慨深さがあった。

それは曲がりなりにも陽子という
彼女が出来、恋愛という青春ドラマ
を過ごせたからだ。

最後彼女の肉体を求めた事で俺は
嫌われてしまったようだが、それは
それで仕方無いと思う。

俺は男としての本能で動いたし
彼女は女の本能で防御したのだと思う。

これが男と女の駆け引きなのだろう。
攻める男に守る女。

気に入った女には自分の肉棒で足跡を
残したい男と、結合を受け入れるには
精神的高まりを尊重する女。

多分それは性がオープンになった
今でも
存在しているのではないか。

ただ、陽子は俺の卒業コンサートを
こっそりと見に来てくれていた。

なので、俺の事を完全に毛嫌いした
訳ではなさそうだった。

多分俺が彼女を求めた事で壁を
作ってしまったのかも知れない。

そして互いに意地を張り合った事で
自然消滅してしまった。

しかし、俺は敢えて彼女を追いかける
事はしなかった。

その理由は俺が求めた事を拒否した
からだ。

陽子の中では俺の事をまだそこまでは
そう思っていたのだろう。

そこまではというのは、体を許す相手
としてはまだ早かったという事だ。

それならそうで仕方無い。
そこまでだ。

俺は熱しやすく冷めやすい。
これは今でもだ。

多分この高校生の頃から女に対し
そんな性格が確立されたのだと思う。

猛烈に女を好きになるくせに、何か
自分が許せないボーダーラインに
相手が抵触すると、直ぐに冷めて
それ以降は全く興味が無くなる。

極端な性格だ。

体育館に3年生が並ぶ。流石に
卒業式なので、それぞれの顔は神妙だ。

校長の講釈やその他の祝辞等が読まれ
終わりに向かう。

中央に卒業生達が並び、両端には先生
達が並んでいた。

後は後輩達は自由参加だった。なので
ちらほらクラブ等の後輩達が先生達
の横に並んでいた。

全ての行事が終わり、俺達は出口に向かう。
友人達と挨拶を交わし、少し胸が詰まる。

これで皆とお別れなんだと。

その時俺に近づいて来た影があった。
そしてこんな声がした「パパ・・・」
懐かしい呼ばれ方であった。

声の主を見た。

なんと!陽子が卒業式に来ていたのだ。
彼女はずっと俺の事を「パパ。」と
呼んでいた。

もしかすると俺と結婚するような夢を
見ていてくれていたのかも知れない。

俺は驚いて彼女を見た。

陽子の後ろには彼女の友達がいた。
一緒に来ていたようだ。

「久しぶりだね。」

俺はそんな一言しか出なかった。

「うん。」

彼女はそう頷いた。
そして陽子が俺に言った。

「パパ、第2ボタンが欲しい。」

そう言って陽子が突然涙を流し始めた。

その言葉に俺は驚き、直ぐに返事が
出来なかった。

俺は思わず拳を強く握りしめ、陽子の
顔をじっと見た。


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