livedoor Blog 恋愛 4位/45868

青春時代

毎日デパ地下は物凄い人だった。
中元や歳暮という日本人のしきたりが
この時代、ピークを迎えていた。

それは物凄い景気の上昇が後押し
まさにバブル景気に突入する前
だったからだ。

皆こぞって歳暮を探しにデパ地下
に来た。

社会人になり俺も上司に中元や歳暮を
送るようになったのは、このデパ地下
のバイトの影響だった。

会社の上司の中にはこの付け届けで
部下を評価する上司までいた。

なので俺はリーマン時代この付け届け
には金額を奮発した。

しかし、この悪しき習慣?は新しい
社長に代わってから禁止された。

言うまでも無く、そんな物が人事の
評価に繋がるなど、もっての他だと
言う考えだ。それと中元・歳暮など
という無駄な金を使うなと。

まぁ当然と言えば当然だろうが
俺はこの中元や歳暮は、ある意味
お世話になった方への挨拶なので
別にいいのではないかと思っている。

中元や歳暮で売り上げがあがれば
それが景気を押し上げる要因にも
なるからだ。

ところで中元や歳暮を選ぶセンス
これはこれで意外に勉強しなければ
相手に喜ばれ無い事がある。

自分の上司やその家族が喜んでくれる
物は何か?上司の趣味や嗜好は何か?

そんな事を調べるのもある意味大事
なのではないかと思える。

なので、俺は食品などは先ずは送る
前に必ず自分で購入し、試食した。

そんな事をするのは無駄かも知れ
ないが、相手が何を喜ぶのかを
考える事はマーケティングの仕事
にも役立つと思った。

地方の温泉などに行くとロビーに
お土産の菓子や加工された総菜など
が売っている。

しかし、買ってみると驚くほど
不味い物が多い。

昔から「土産物、買って美味い物無し」
などと揶揄されている。

これはホテルや旅館側が自分達で試食
していないからだ。実際ホテル側の
人間がそう言っていた。

食べ物は相手に喜ばれるにはまず
自分で食すのも大事だと思う。

そんなデパ地下が歳暮時期を迎えていた
ある日の事、裏のブースの良江が俺を
誘ってきた。二人で飲みに行かないかと。

この頃俺は友人のトモヒサの忠告など
すっかり頭から抜けてしまっていた。

それはデパ地下は誘惑が多いので
女子社員にちょっかい出すなら一人に
しておけと言われていた事を。

彼はそれでバイトを止めたのだから。

なんせ若い男がほとんどいない売場で
若い女子社員からチヤホヤされるのだから
舞い上がるのも無理はない。

俺は完全にこのバイトにのめり込んでいた。

遊園地のリンさんのお蔭で、俺は多少
女の扱いに慣れ始めていたし、遊園地で
釣っていた女子学生達とはレベルが違う
華やかな彼女達に惹かれた。

その日良江と待ち合わせして食事に
いく事になった。

多分彼女は最初から俺と泊まるつもり
だったのだろう。

2人で居酒屋に行き、何時ものスナック
に行った。

夜が更け、終電が無くなる時間が来ても
彼女は何も言わない。

俺はこの無言の合図に確信した。彼女が
俺の誘いを待っている事を・・・。


恋愛カップルにクリックを!

  にほんブログ村 大人の生活ブログ タイナイトライフ情報(ノンアダルト)へ