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覚醒タイランド


多分この時、パタヤに行った事で
俺のタイ遊びの嗜好は180度
変わったと思う。


それはバンコク(シティ)から
パタヤ(リゾート)への変革とでも
言うべきだろうか。

当然ポーと来た時には他の女には
一切目もくれなかったが

ゴン太さんと回って出会ったパタヤ
レディ達は明るく楽しくて
何とも言えない開放的な女性ばかり
だった。

これはパタヤがリゾート地だから
こそだろう。バンコクのレディ達
と明らかに
ノリが違う事が分かった。

リゾート地では、そこで働いている
レディ達も自ずと開放的になるようだ。

初めてのソイ6・初めてのLK。
俺はパタヤがこんなにも楽しいのかと
驚かされた。

そしてゴン太さんとLKを回っている
時に「忍者」という
店名に誘われ
足を踏み入れた事で、更に俺の
パタヤへの傾倒が一気に進んだ。

忍者はやはり名前の通り、日本人向けの
ゴーゴーレディが揃っていた。

当時は本当に可愛い子が多く、この店は
日本人に人気があった。

店内は1階が40坪程で、細長い円型の
ステージを挟んで前後に客席がある。

左奥にはドリンクを作るカウンターが
あり、奥にはトイレがある。

2階には会長室(オーナー)や更衣室
それにゴーゴーレディの食事スペース
がある。そして店には実は3階もある。

3階は住み込みが出来るように部屋が
いくつかあり、どのような基準で
選ばれているのか分からないが
スタッフ達が暮らしていた。

多分オーナーが信用出来るレディだけ
住ませていたのかも知れない。
店の事務兼経理とか・・・。

俺とゴン太さんはステージ正面から
少し斜めに席を取れた。

時間はまだ8時過ぎだったが、ぼちぼち
客が入り出していた。

俺達はビールを頼みステージを眺めて
いた。当然このLKで初めて入った店
だったので興味深々だった。

ステージにはまだ10人程のダンサー
だけだったが、そこそこ皆可愛いかった。

俺達はその中からお互いに一人づつ席に
呼び乾杯していた。

しばらくすると入口からこの場所には
場違いと思われるような年配の日本人
が入って来た。

何故、場違いと思ったかと言うと、通常
観光でパタヤに来ると、それなりに皆
着る物には気を配るものだ。

やはり、若いレディに会いに来るので
それなりに意識するのだろう。

ところがこの日本人はヨレヨレの
シャツを着て入店してきた。
なんだかホームレスのようでもあった。

とても失礼な話だがオーナーの第1印象
はそのような感じだったのだ。

その人がこの店に場違いなので、妙に
気になり、目で追った。彼は一旦奥まで
行き、階段を上がって行ったので、この
店で清掃の仕事でもしてるのかと思った。

横にレディを呼んでいたので、彼女に
聞いた。「あの人は誰?」

するとレディが「オーナー」そう
答えたので驚いた。

俺はこの時自分で会社を経営していた。
なので、このような店に入ると常に
売上はどうだろうか?粗利率や粗利益
はどうなのか?

更にはこの店舗の内装費はいくらだった
のか、家賃は?これだけのレディの月額
給与はいくらなのかなど、直ぐにそちらに
興味が沸いていた。

この「忍者」はそこそこの規模であった
ので、経営するのは大変だろうな?
そんな事を思っているその矢先に

ヨレヨレの服を来たホームレスもどきの
親父が入店して来てその人がオーナー
だと聞かされ驚いた。

しばらくするとそのオーナーが階段
を降りてきた。そして店内を回って
いる。

俺達の前に来ると「観光ですか?」
そう聞かれた。その話ぶりは至極
穏やかで、全く自分がオーナーである
ような事を感じさせないある種の人間的
魅力を持っていた。

俺がこの店のオーナーなら、やはり
自慢気な態度になっていたと思うからだ。

俺は声を掛けられ驚いたが
「はい・観光です!」そう答えた。
そして「隣の友人は駐在員です。」と。

そう言うと「おお。そうですか。」と
微笑んでいた。

この方は喧嘩の修羅場とかでは無い
また何か違う修羅場をくぐり抜けて
きたようなオーラーを放っていた。

それは相手を取り込むオーラーだ。
相手を信用させるような。
これは営業の方なら分かると思う。

変な話だが、俺はこのオーナーが
一瞬で物凄く良い人に思えた。
(ネットでは凄く叩かれてたが)

オーナーと少しばかり話してると、彼が
奥のカウンターに行き、テキーラーを
持って来てくれた。サービスだと言って。

嬉しかった。一見さんの俺達にこの店の
オーナー直々にドリンクをサービスして
くれたからだ。

そしてその後驚く事に、自分の執務室に
案内してくれた。当然客など入れない
場所だ。

そこでまたもやビールを御馳走になり
色々な話をさせて頂いた。

そしてこの人との出会いが俺の最後の
シニア人生を大きく変えた。

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