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覚醒タイランド

こんな出来事もあった。
情けないが全てを語ろう。

その日ロビーでYou Tubeを見ていた。

この頃、部屋のWifiの金が払えなく
なっていた。当然何処にも行けない。
金が全く無かった。

なので1日の大半をロビーで過ごす
生活で、コンドミニアムに引きこもり
一体全体、タイに何しに来たのか全く
分からない状態だった。

自分のSIMだけはかろうじてキープ
したが、リミットがあったので
出来る限りコンドミニアム内の
Wifiが繋がる場所で過ごしていた。

夜も9時過ぎともなればロビーは
閑散となる。そろそろ寝ようかと
エレベーター前に行くと、扉の前
に何やら赤い紙が落ちていた。

よく見ると100バーツ札だった。
日本円で350円程だ。

俺はそれを見た瞬間狂喜乱舞した。

ラッキー!と。

その100バーツが天の恵みに思えた。
今、思い返すと本当に情けない限りだ。

でもその時は20バーツも節約し
水道水を飲んでいた時なので100
バーツは俺にとって大金だった。

喜んでそれを拾い握りしめた。
これで少し生活が楽になると・・・。

俺の帰国する前の最後は、こんな
生活を送っていた。

この極貧生活が始まった最初の
4か月は1日200円程で過ごした。

しかし、この悲惨な状態の4か月を
何とか切り抜けた。苦しかったが
嬉しい事もあった。

それはVISAだ。

VISAを手にした瞬間物凄い感動が
あった。

これで自由にタイに出入り出来ると。

VISAの効力は凄かった。その後も日本
に母親の介護施設の金を支払う為
帰国する必要があったが

タイの入国時にこのVISAを見せると
直ぐに入国許可のスタンプが押された。

入国拒否の恐怖でびくびくしていた
のが嘘のようで、あまりにも簡単で
拍子抜けするぐらいだった。

介護施設の金は母親の年金があったので
それをあてがう事でかろじて支払う事が
出来ていた。

年金が俺と母親を救ってくれた。

年金が無ければ母親の介護施設の
金も払えなかったし、俺自身家賃が
払えず、ビーチロードで寝る事に
なっていたかもしれない。

今まで、自分はツキがあるのか無い
のかよく分からない時が多々あった。

しかし、こうして小説ブログを書けて
いるのだからやはりツキがあるの
だろう。

4か月の極貧生活が終わった。
3回目の年金が振り込まれる。

勇んでATMに行った。虎の子の金だ。
タイのATMは1度に下せる金額が
この頃は確か3000バーツだった。

しかし、その3000バーツを下す
のに200バーツ手数料が取られた。

約750円だ。

泣きそうだった。

マジでタイのATMに怒りを覚えた。
いや、タイの外国人に対するマネー
の対応にだ。

ロングステイするならATMを使う
人が多いだろう。
(これは今では25000バーツ
まで引き出せるようになっている)

1度の引き出しの制限を低く設定し
何度も使わせて手数料を取る。

金があれば何とも無い事が、本当に
腹が立って仕方無かった。

そして念願の年金が入ると俺は。
狂っていた俺は・・・。

その夜我慢出来ずにWSに出向いた。
勿論ゴーゴーバーに行く為だ。

WSのきらびやかなネオンを見ると
俺は浮足だった。久しぶりだった。

行けば店に入りたくなるので、金が
無い時は引きこもり続けていた。

せっかく年金が入り、毎日コツコツ
使えば、何とか生活出来るのに
金が入ると俺は我慢出来なくなった。

そしてまたしても200円の生活に
直ぐに逆戻り、気分がダウンした。

これこそが夜遊び中毒の末期症状だ

こんな俺を本当に施設にぶち込んで
欲しかった。

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