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覚醒タイランド

青天の霹靂という言葉があるが
まさにこの時の俺がそうだった。

パタヤの住まいを解約し、街を
離れやっとやっと日本に帰れる。

そんな思いでカウンターに向かう
とその日の0時に香港行きが全て
ロックダウンでキャンセルに
なったと言われた。

何という事だ!

俺は茫然とした。

カウンターに返金して欲しい!

俺にはもう違う航空券を買う金
など残っていない。

カウンターにそう声を荒げても
ネットで航空会社に直接請求
してくれと言われシャットアウト
された。

俺はその場でしばらく茫然と
立ち尽くしていた。

どうしようと・・・。

空港の中は異様な雰囲気だった。

何故なら、今まさに全ての航空会社
がストップされそうであったからだ。

ANAとJALのカウンターにだけ人が
詰めかけて、他の航空会社は
ほとんど便を止めていた。

日本の航空会社だけが在タイ邦人
の為、頑張ってくれていた。

しかし、航空会社のカウンターに
群がる人々の姿は、まるでパニック
映画のシーンのようで

地球最後の日を目前に逃げ出す人々
のようにカウンターに詰めかけていた。

静まり返った空港にそこだけ物凄
いエネルギーの渦が渦巻いている。

俺は我に返った。

そうだ、ここで茫然としていたら
本当に俺は取り残されてしまう。

万が一、このままタイの空港が
ロックダウンでもしたら、俺はタイ
に帰る場所も無い。

ネットで直ぐに日本行きを探す。
しかし、ネットが中々繋がらない。

多分皆がパニックでネットを使って
いるからだと思えた。

ようやく、切符を検索すると
なんと!既に片道切符が18万を
超えていた。

片道でだ。

ついこの間までは6万程だった切符
があっという間に値上がりしていた。

しかし、今は金額の問題で無く
とにかく日本に帰国しなければ
いけない。

俺は直ぐにケンタさんに連絡した。
このピンチを救ってもらう為に。
俺にはもう航空券を買う金が残され
ていなかった。

ケンタさんに事の重大性を早口で
説明した。そうこうするうちにも
どんどんと座席は無くなっていく。

助けて欲しい。

ケンタさんは直ぐに検索してくれ
1番早いフライトが2日後にあると
そう言って直ぐに予約してくれた。

本当に嬉しかった。

その時の緊迫した場面をYouTubeで
あげているので是非見て欲しい。

まさにこの時は決死のタイ脱出の
場面であった。




取り合えず切符が取れた事でほっと
した。その日から2泊、仕方が無いの
で近くのホテルに宿泊する事にした。

何とかそのぐらいの金は残っていた。

ホテルに到着したのはもう深夜の
2時近くで俺は心身ともに疲れ切っ
ていて、そのまま直ぐに眠りについた。

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