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青春時代

ある日ヒデキが俺に相談があると
言ってきた。彼は俺の店のシゲル
店長が他の店から誰かバイトが
いないかと頼まれ紹介してあげて
いたのだ。

高校時代からの親友で、とても
仲が良かった。凄いイケメンなの
に性格が大人しく、俺のように
女を食い散らかすタイプで無かった。

全く正反対のタイプだった。

なので、高校時代3年間誰も彼女
がいなかった。物凄く不思議だった
が、そもそも女に興味が無かった
ようだ。

大学は違う学校に行き、お互い
離れ離れになってしまったが時折
電話して近況を報告し合っていた。

ある日デパ地下のバイトをしない
かと聞いてやると、彼も4回生に
なり時間があるので、是非という
事になった。

俺は何故彼がEVガールと付き合い
始めたのか不思議だった。接点が
無かったからだ。

するとこんな事がきっかけだった。

彼がバイトに来る前、1度臨時で
俺の売り場にバイトに来た。

それはバレンタインデーの特設
売り場だった。お菓子売り場では
どこもかしこもバレンタインデー
のチョコを販売していたが

デパートでは別館の惣菜売り場側が
空白になっていた。当然だ。チョコ
なんて扱っていないのだから。

その為、惣菜売り場入口にチョコの
販売ブースが臨時で2軒分だけ
作られた。

俺のバイト先のメーカーは某有名
ブランドなのでその売り場に選
ばれていた。

昭和50年代後半のバレンタイン
商戦はまさに戦争だった。俺達の
ガラス
ケース2つのブースに客が
押し寄せて来た。

本当に恐怖を感じるぐらいに。
殺到するとはこの事であった。

人気商品は更に奪い合いだった。
客達から殺気さえ感じた。在庫は
もう無いのか!と。

当然皆女性客ばかりだ。

夕方のピークになるとガラスケース
に客が殺到し、ケースが押され
俺達は販売しながらそのケースを
押されないよう守った。

ガラスケースに何重にも客が群がり
ミシミシと音を立てケースが押さ
れてくる。それを体で押さえながら
販売した。

ピークの日には1000円前後の
チョコが1日で200万程売れる日
があった。2000個以上売れた事
になる。

シゲル店長は本社から物凄く褒め
られたと俺達に礼を言ってくれた。

それ程このバレンタインチョコの
売れ方は凄まじい物があった。
中国人の爆買いも顔負けだった。

俺とヒデキともう1人のバイトの
3人で10日程そのブースで販売
していた。

そしてそのブースというのがまさに
エレベーターの前で、2基のEVが
開く度、EVガール達と顔を合わせ
る事が出来た。

そして俺達はこの催しの販売に
ある工夫をしていた。

それは掛け合い漫才のような呼び
込みであった。それが客にめちゃ
ウケて大勢集まって来ていた。

目の前のEVは1階に止まると
しばらくEVガールは表に出て
客待ちする。

その間彼女達は俺達の漫才呼び込み
を聞いて笑っていた。もう一人の
バイトが俺と同じようなノリで
凄く息が合いうまくいった。

そしてそんな俺達の中のヒデキに
EVガールが注目していたのだった。

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