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青春時代
「M、あいつお前の事が好きに
なったみたいやぞ。」
ヒデキが俺に言ったその言葉に
俺は青ざめた。
「うそやん!なんでやー!」
ヒデキに聞くと事の顛末はこう
だった。ヒデキの家に静江から
電話があり、あなたは私を避けてる
もういい私にはM君がいるから。
そう言って電話を切ったらしい。
俺はまさに「はぁ?」だった。
ヒデキ曰く、どうやらヒデキが
いないその間、俺が何時も店で静江
と会話していたのが原因のようだ。
店は7時を過ぎるともう暇で
めったに客は来なかった。なので
ヒデキを探しに来る静江との会話は
閉店までの丁度いい時間潰しだった。
俺は第3者であったのでまぁ関係
ないやぐらいの軽い気持ちだった。
静江は元々は美人だし、俺は女と
の会話は得意としている。
毎日のように来る静江は俺の時間
潰しであったが、彼女はヒデキが
いない寂しさを俺で癒す事が出来
始めていたようだ。
俺もヒデキから静江の事を聞いて
いなければ、直ぐにこの女に手を
出していただろう。
スタイルが良く、美人の静江に
まさかストーカー気質があるなど
全く分からないからだ。
ヒデキがニヤリと笑った。
俺は助かったぜというような笑い
だった。
しかし、今度はこちらに災難が
回って来るようになったりすれば
今度は俺がつけ回される。
せっかくこの店は居心地の良い
バイトなのに辞めたく無い。
俺はそこで考えた。
そうだ!先手を打とうと。
大学に仲の良い女の子達が何人か
いた。
俺の学部は女子の方が多かった
からだ。
1回生の頃は単位を取る為真面目
に大学に通っていたので、仲良く
なった女の子達がいた。
その中の一人、なおみに電話をし
事情を話し俺の彼女役になって
もらった。お礼はするからと。
なおみは驚いていたが、明るい
キャラなので半分面白がって
引き受けてくれた。
ただ、カッターで手編みのセーター
を引き裂いた話には流石に静江に
同情していた。かわいそうその子と。
その日なおみは7時過ぎに店に来て
くれた。そして予想通り7時半に
静江は来た。
俺がなおみと会話していると「誰?」
みたいな顔をした。
そこで俺は「あ、静江!この子俺の
彼女のなおみ。同じ大学なんやわ。」
そう言うと静江は直ぐに顔に出た。
複雑な顔をしていた。
ここは勝負だった。
俺を追い回す前に先手を打つ。
「今日は彼女と泊まりのデート
やから店ちょっと早めに閉めるわ。」
「悪い。もう片付け始めるから。」
そんな言葉で追い返そうとした。
かわいそうだったが、そんな事は
言ってられない。
今度は俺が付きまとわれるのだから。
「うん。」
静江は小さくそう言って帰って
行った。
なおみが「綺麗な人やん。M君の話
ほんまなん?」
なおみは静江を見て半信半疑だった。
「せやねん。俺もまさかと思たけど
めっちゃ気味悪いやんわあの子。」
念の為、次の日もなおみに偽装の
彼女役を頼み、店に来てもらった。
しかし、7時半を過ぎても静江は
来なかった。
更に翌日も・・・。
静江がしばらく来ない日が続いたので
安心したが、やはり気になっていた。
俺は静江の様子を探る為、何時も
店に来る同じ惣菜売り場のユキに
頼み静江がいるか見てきて欲しい
と頼んだ。
俺は姿を見られたく無かったからだ。
同じフロアーなので、ユキは静江の
事を知っていた。やはり美人なので
フロアーでは有名だったようだ。
ユキが尋ねに行くと、静江は店を
辞めたそうだった。
俺に安堵の気持ちが広がった。
そしてその事を直ぐにヒデキに
伝えてやると物凄く喜んでいた。
俺はこの事で女に対し勉強になった。
それは迂闊に手を出すと後が面倒な
女がいるという事を・・・。
しかしそんな俺も、リーマンに
なってからストーカー女に捕まる
のだった。
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「M、あいつお前の事が好きに
なったみたいやぞ。」
ヒデキが俺に言ったその言葉に
俺は青ざめた。
「うそやん!なんでやー!」
ヒデキに聞くと事の顛末はこう
だった。ヒデキの家に静江から
電話があり、あなたは私を避けてる
もういい私にはM君がいるから。
そう言って電話を切ったらしい。
俺はまさに「はぁ?」だった。
ヒデキ曰く、どうやらヒデキが
いないその間、俺が何時も店で静江
と会話していたのが原因のようだ。
店は7時を過ぎるともう暇で
めったに客は来なかった。なので
ヒデキを探しに来る静江との会話は
閉店までの丁度いい時間潰しだった。
俺は第3者であったのでまぁ関係
ないやぐらいの軽い気持ちだった。
静江は元々は美人だし、俺は女と
の会話は得意としている。
毎日のように来る静江は俺の時間
潰しであったが、彼女はヒデキが
いない寂しさを俺で癒す事が出来
始めていたようだ。
俺もヒデキから静江の事を聞いて
いなければ、直ぐにこの女に手を
出していただろう。
スタイルが良く、美人の静江に
まさかストーカー気質があるなど
全く分からないからだ。
ヒデキがニヤリと笑った。
俺は助かったぜというような笑い
だった。
しかし、今度はこちらに災難が
回って来るようになったりすれば
今度は俺がつけ回される。
せっかくこの店は居心地の良い
バイトなのに辞めたく無い。
俺はそこで考えた。
そうだ!先手を打とうと。
大学に仲の良い女の子達が何人か
いた。
俺の学部は女子の方が多かった
からだ。
1回生の頃は単位を取る為真面目
に大学に通っていたので、仲良く
なった女の子達がいた。
その中の一人、なおみに電話をし
事情を話し俺の彼女役になって
もらった。お礼はするからと。
なおみは驚いていたが、明るい
キャラなので半分面白がって
引き受けてくれた。
ただ、カッターで手編みのセーター
を引き裂いた話には流石に静江に
同情していた。かわいそうその子と。
その日なおみは7時過ぎに店に来て
くれた。そして予想通り7時半に
静江は来た。
俺がなおみと会話していると「誰?」
みたいな顔をした。
そこで俺は「あ、静江!この子俺の
彼女のなおみ。同じ大学なんやわ。」
そう言うと静江は直ぐに顔に出た。
複雑な顔をしていた。
ここは勝負だった。
俺を追い回す前に先手を打つ。
「今日は彼女と泊まりのデート
やから店ちょっと早めに閉めるわ。」
「悪い。もう片付け始めるから。」
そんな言葉で追い返そうとした。
かわいそうだったが、そんな事は
言ってられない。
今度は俺が付きまとわれるのだから。
「うん。」
静江は小さくそう言って帰って
行った。
なおみが「綺麗な人やん。M君の話
ほんまなん?」
なおみは静江を見て半信半疑だった。
「せやねん。俺もまさかと思たけど
めっちゃ気味悪いやんわあの子。」
念の為、次の日もなおみに偽装の
彼女役を頼み、店に来てもらった。
しかし、7時半を過ぎても静江は
来なかった。
更に翌日も・・・。
静江がしばらく来ない日が続いたので
安心したが、やはり気になっていた。
俺は静江の様子を探る為、何時も
店に来る同じ惣菜売り場のユキに
頼み静江がいるか見てきて欲しい
と頼んだ。
俺は姿を見られたく無かったからだ。
同じフロアーなので、ユキは静江の
事を知っていた。やはり美人なので
フロアーでは有名だったようだ。
ユキが尋ねに行くと、静江は店を
辞めたそうだった。
俺に安堵の気持ちが広がった。
そしてその事を直ぐにヒデキに
伝えてやると物凄く喜んでいた。
俺はこの事で女に対し勉強になった。
それは迂闊に手を出すと後が面倒な
女がいるという事を・・・。
しかしそんな俺も、リーマンに
なってからストーカー女に捕まる
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