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青春編153
「お嬢様という生き物」


和美は学生だったので週末の
土日だけバイトに来ていた。

通常学生バイトとは自分の小遣い
稼ぎの為に来る。なので、裕福な
家庭の学生がバイトをしている
イメージが俺には無かった。

俺自身が苦学生であったから。

俺が大学1回生の時に父親が1度
ガンになり、入院してしまった。
家には高校生の妹がまだいる。

なので、俺は自分の学費は自分で
稼ぐ必要があった。

しかし、俺はまだ恵まれていた。
大学に入学させて貰えたからだ。

大学に進学したくても金銭的理由
で涙を飲んだ学生達は数え切れない
程いるだろう。

どんな家庭に生まれてくるかで
その子の運命は大きく変わって
しまう。

理不尽だが仕方が無い。
それも「運」なのだから・・・。

俺は客がいない間、少しづつ和美に
話掛けた。

和美はなんというか・・・表現の
仕様の無い、何とも言えないピュア
な雰囲気を漂わせていた。

それは小さな頃から何一つ不自由
無く育てられたブランドのオーラ
とでも言おうか・・・。

和美に何処の大学に通っているのか?
そう聞くと誰もが知る有名なお嬢様
大学だった。

和美は幼稚園から大学までの一貫
したお嬢様学校を歩んできていた。

更に興味を持った俺は「家はどこ?」
そう聞いた。

これもまた物凄く有名な高級住宅街
に住んでいた。

「和美、めちゃ金持ちの家やんか。」
「何でバイトなんかしてんの?」

俺は不思議に思いそう聞いた。
彼女なら親からしこたま小遣いを
貰っている筈だったからだ。

すると驚きの言葉が返ってきた。
それは

「親から自分の小遣いはバイトして
 自分で稼ぎなさいと言われたから。」

なんてことだ!
もう満点家族だった。

金持ちの家で、何不自由無く育てられ
ても、彼女が鼻に付いた生意気さが
無かったのは親の育て方が良かった
からだろう。

実際彼女の友達の金持ちお譲様を後に
紹介されるのだが、平気で俺の事を
「貧乏人」と言いやがった。

それは彼女と話している時、洋服を
どこで買うのかという話からだった。

そいつは何時もデパートで買うと
誇らしげに言うので俺は「デパート
で服なんて買った事がないな。」

そう言うと

「貧乏人やな。」そう言ったのだ。

お前はその金を自分で稼いだのか!
俺は本気でその女にムカついた。

同じ金持ちの家でも親の育て方なの
だろう。和美には自分の家の事を
鼻に掛ける事など一切無かった。

俺が今まで付き合った彼女達は
ごく普通の家庭の子達だったと思う。

何故なら和美は今まで付き合った
レディ達とは全く違うオーラを
出していたからだ。


「彼氏はいるの?」

俺は思い切って聞いた。

すると
「いない。」と・・・。

俺はこの新しいお嬢様という生き物
にアタックしてみる事にした。

しかし、今思うと土俵の違う女性に
手など出さない方が良かったと思う。

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