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青春編157
「驚愕の吹奏楽部」
1度ケーキを食べに行ってから俺は
和美に急速に惹かれ始めた。まるで
高校時代の初恋の時のように・・・。
いつしか和美を「やりたい」から
彼女にしたい。そう思い始めていた。
俺は高校時代の彼女と別れてから
よくよく考えると彼女というものが
いなかった。
それは今で言うセフレに恵まれて
いたからだ。
まぁ、相手は俺をBFだと思って
くれていたかも知れないが、俺は
バイトで忙しく恋愛だけに没頭出来
る身分で無かった。
そんな俺に久しぶりに彼女にしたい
女性が現れた。それは彼女が丘の
上に咲く花のように手が届きにくい
存在だったからかも知れない。
バイトで無ければ出会う事がなかった
高嶺の花だ。
次のデートはイタリアンにした。
和美を居酒屋には誘えない。
そう思えた。
俺は彼女を酔わせる目的よりも
彼女に気に入られたい。そんな欲求
が上まってきていた。
なので、女性なら誰もが好むような
イタリアン料理の店に行った。
しかし、彼女の親は心配でなかった
のだろうか?こんなお嬢様を下界?
に下ろして・・・。
自分の小遣いはバイトして稼ぎなさい。
彼女の親は素晴らしいと思う。
金持ちの家にも関わらず、社会で自分で
働きその対価としてお金を得る。
その構図を娘に教えようとしたのだから。
ただ、それにはリスクが伴う。それは
俺のように下界に潜んでいる悪い虫だ。
そんな虫が純粋なお嬢様に急速に惹かれ
ていく。まるでタイタニックのデカプリオ
のように。
彼女と食事に行き色々な話をした。
しかし、彼女から出る話は俺とは違う
世界だった。
まず彼女は大学で吹奏楽部に入って
いたのだがその夏の合宿がなんと
ドイツだった。
俺はそれを聞いて唖然とした・・・。
昭和50年の海外旅行なんて金持ち
のイメージしかなかった時代だ。
それを学生の合宿先だなんて。
確かにドイツはバッハ、ベートーヴェン
ブラームスをはじめ、多くの偉大な
作曲家を輩出してきた国だ。
音楽の都でもある。
しかし、大学の吹奏楽部の合宿がドイツ?
一体いくらかかるんだ。俺の発想では
そんな合宿はあり得ない。
驚きが収まり、更に聞いてみた。
「和美は何の楽器を担当なの?」
そう聞くとクラリネットだと言った。
凄くいい音色で大好きだと。
俺はおそるおそるその楽器の値段を聞く。
すると
「多分30万くらいだったと思う。」
和美は笑顔でさらりと言う。
俺は食べかけのパスタの皿にフォーク
を落としかけた。
「30万?!」
大卒初任給10万の時代だ。
「うん、楽器って値段の幅が凄く
あって、よく分からないから先生
がすすめてくれたのを買って貰った。」
「先生がすすめた?」
「30万の楽器を・・・?」
「和美は前からクラリネットやって
たの?」
「ううん、初めて・・・。」
ある意味彼女の世界は金銭感覚が
おかしいと思った。
俺とは桁が一つ違う。
30万の楽器をこれならそこそこ
いい音色だよとすすめる先生。
素人同然で始めたにもかかわらず
すんなりそれを買ってやる和美の親。
彼女の話を聞きながら俺の心の中に
「劣等感」そんな強い気持ちが更に
大きく広がりだしてきた。
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青春編157
「驚愕の吹奏楽部」
1度ケーキを食べに行ってから俺は
和美に急速に惹かれ始めた。まるで
高校時代の初恋の時のように・・・。
いつしか和美を「やりたい」から
彼女にしたい。そう思い始めていた。
俺は高校時代の彼女と別れてから
よくよく考えると彼女というものが
いなかった。
それは今で言うセフレに恵まれて
いたからだ。
まぁ、相手は俺をBFだと思って
くれていたかも知れないが、俺は
バイトで忙しく恋愛だけに没頭出来
る身分で無かった。
そんな俺に久しぶりに彼女にしたい
女性が現れた。それは彼女が丘の
上に咲く花のように手が届きにくい
存在だったからかも知れない。
バイトで無ければ出会う事がなかった
高嶺の花だ。
次のデートはイタリアンにした。
和美を居酒屋には誘えない。
そう思えた。
俺は彼女を酔わせる目的よりも
彼女に気に入られたい。そんな欲求
が上まってきていた。
なので、女性なら誰もが好むような
イタリアン料理の店に行った。
しかし、彼女の親は心配でなかった
のだろうか?こんなお嬢様を下界?
に下ろして・・・。
自分の小遣いはバイトして稼ぎなさい。
彼女の親は素晴らしいと思う。
金持ちの家にも関わらず、社会で自分で
働きその対価としてお金を得る。
その構図を娘に教えようとしたのだから。
ただ、それにはリスクが伴う。それは
俺のように下界に潜んでいる悪い虫だ。
そんな虫が純粋なお嬢様に急速に惹かれ
ていく。まるでタイタニックのデカプリオ
のように。
彼女と食事に行き色々な話をした。
しかし、彼女から出る話は俺とは違う
世界だった。
まず彼女は大学で吹奏楽部に入って
いたのだがその夏の合宿がなんと
ドイツだった。
俺はそれを聞いて唖然とした・・・。
昭和50年の海外旅行なんて金持ち
のイメージしかなかった時代だ。
それを学生の合宿先だなんて。
確かにドイツはバッハ、ベートーヴェン
ブラームスをはじめ、多くの偉大な
作曲家を輩出してきた国だ。
音楽の都でもある。
しかし、大学の吹奏楽部の合宿がドイツ?
一体いくらかかるんだ。俺の発想では
そんな合宿はあり得ない。
驚きが収まり、更に聞いてみた。
「和美は何の楽器を担当なの?」
そう聞くとクラリネットだと言った。
凄くいい音色で大好きだと。
俺はおそるおそるその楽器の値段を聞く。
すると
「多分30万くらいだったと思う。」
和美は笑顔でさらりと言う。
俺は食べかけのパスタの皿にフォーク
を落としかけた。
「30万?!」
大卒初任給10万の時代だ。
「うん、楽器って値段の幅が凄く
あって、よく分からないから先生
がすすめてくれたのを買って貰った。」
「先生がすすめた?」
「30万の楽器を・・・?」
「和美は前からクラリネットやって
たの?」
「ううん、初めて・・・。」
ある意味彼女の世界は金銭感覚が
おかしいと思った。
俺とは桁が一つ違う。
30万の楽器をこれならそこそこ
いい音色だよとすすめる先生。
素人同然で始めたにもかかわらず
すんなりそれを買ってやる和美の親。
彼女の話を聞きながら俺の心の中に
「劣等感」そんな強い気持ちが更に
大きく広がりだしてきた。
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