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青春編158
「家にジャグジー風呂?!」
これまでのあらすじ。
バイトで知り合った女子大生和美。
親は医者。住居は高級住宅街。
学校は超有名なお嬢様学校。
そんな、何不自由無く育った彼女に
当初は遊びのつもりで近づいたの
だが段々と本気になっていく・・・。
しかし、付き合う程に彼女との
経済格差に打ちのめされ始める
のだった。
本編)
別世界にいる彼女へのインタビュー
は続いた。俺は彼女がどんな世界で
生まれ育ったのか知りたかった。
その理由は俺がそんな世界で生まれ
育ちたかったという憧れからだ。
幼い頃、貧乏な自分の家が嫌で
「実は俺は物凄い金持ちの家の子で
病院で取り間違えられたのだ。」
「いつか本当の親が迎えに来てくれ
この家から連れ出してくれる筈だ。」
まるで韓国ドラマのような事を本気で
思っていた時期がある。
それほど自分が生まれ育った環境が
嫌であった。
和美に家の事を尋ねた。すると彼女の
家は大きな2階建てのようだった。
2階にも廊下があると聞いて、俺は
彼女の家が旅館なのかと驚いた。
平屋の狭い家で暮らしていた俺から
は想像もつかなかった。
それも2階にも風呂とトイレがある
と言う。
彼女には弟がいたのだが当時大人気
だったセリカに乗っていると言った。
お父さんは憧れのクラウンだった。
俺はただ、ただ唖然として
「すごいね・・・。」
そんな言葉しか出なかった。
そんな俺に和美は追い打ちをかける
ように
「お友達の家のお風呂は
ジャグジーが付いてんだよ。」
「入らせてもらったら気持ち
よかったー。」
笑顔でさらりとそう言ってのけた。
ただ、和美には全く嫌味は無かった。
何故なら彼女にとって、そんな話は
別段自慢でも無く普通なのだから。
今ならジャグジーの付いた風呂が
ある家も増えてきたであろうが
昭和50年代ジャグジー風呂が家に
あるなど俺には想像も付かなかった。
俺の家には風呂など無く、冬の寒い夜
に歩いて30分もかかる銭湯に行くの
がとても辛くて嫌だった。
それを和美の家には1階と2階に2つ
も風呂があると言う。さもそれが普通
であるかのように。
多分回りが皆そんなレベルなのだろう。
彼女が俺の家を見たら卒倒するのでは
ないか?本気でそう思った。
こんな所に人が住んでるの?と。
近くの駅に行くだけでもバスで
30分以上もかかった。物凄く不便
な場所だから家賃が安かったようだ。
なので高校生になり電車通学になった
俺は学校に通うのが物凄く面倒に感じ
そして途中からグレ始めた。
それは自分の生い立ちに嫌気が差し
もう高校生活なんてどうでも
いいように思えてきたからだ。
多分そんな気持ちがきっかけでグレ
始めたと思う。それが空手に没頭する
きっかけにもなった。理不尽な社会に
ぶつけようの無い怒りが沸いて。
サンドバックを自分の拳や脛から
血が噴き出るまで叩き続けた。
それはサンドバックでは無く
資本主義という見えない相手に
対してだった。
和美と話していると俺はもう
彼女の話が上の空になっていた。
そしてこんな気持ちが沸きあがって
いた。
どうして同じ人間なのにこうも違う
のだろうと。そしてそれまで楽し
かったと思えていた俺の青春が彼女
の話を聞いて全て霞んでしまった。
生まれてきた家が違うだけでこんな
にも大きく人生が変わってしまうのか?
世の中って一体全体何なんだ!
俺が社会に出る前、金持ちになりたい。
そんな強い気持ちが植え付けられたのは
幼い頃からの回りへの劣等感や更に
この和美と出会った事で決定づけられた。
そして俺はリーマンで勉強しその後
独立して会社を立ち上げ、必ず金持ち
になってやる。
そう心に誓ったのだ・・・。
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青春編158
「家にジャグジー風呂?!」
これまでのあらすじ。
バイトで知り合った女子大生和美。
親は医者。住居は高級住宅街。
学校は超有名なお嬢様学校。
そんな、何不自由無く育った彼女に
当初は遊びのつもりで近づいたの
だが段々と本気になっていく・・・。
しかし、付き合う程に彼女との
経済格差に打ちのめされ始める
のだった。
本編)
別世界にいる彼女へのインタビュー
は続いた。俺は彼女がどんな世界で
生まれ育ったのか知りたかった。
その理由は俺がそんな世界で生まれ
育ちたかったという憧れからだ。
幼い頃、貧乏な自分の家が嫌で
「実は俺は物凄い金持ちの家の子で
病院で取り間違えられたのだ。」
「いつか本当の親が迎えに来てくれ
この家から連れ出してくれる筈だ。」
まるで韓国ドラマのような事を本気で
思っていた時期がある。
それほど自分が生まれ育った環境が
嫌であった。
和美に家の事を尋ねた。すると彼女の
家は大きな2階建てのようだった。
2階にも廊下があると聞いて、俺は
彼女の家が旅館なのかと驚いた。
平屋の狭い家で暮らしていた俺から
は想像もつかなかった。
それも2階にも風呂とトイレがある
と言う。
彼女には弟がいたのだが当時大人気
だったセリカに乗っていると言った。
お父さんは憧れのクラウンだった。
俺はただ、ただ唖然として
「すごいね・・・。」
そんな言葉しか出なかった。
そんな俺に和美は追い打ちをかける
ように
「お友達の家のお風呂は
ジャグジーが付いてんだよ。」
「入らせてもらったら気持ち
よかったー。」
笑顔でさらりとそう言ってのけた。
ただ、和美には全く嫌味は無かった。
何故なら彼女にとって、そんな話は
別段自慢でも無く普通なのだから。
今ならジャグジーの付いた風呂が
ある家も増えてきたであろうが
昭和50年代ジャグジー風呂が家に
あるなど俺には想像も付かなかった。
俺の家には風呂など無く、冬の寒い夜
に歩いて30分もかかる銭湯に行くの
がとても辛くて嫌だった。
それを和美の家には1階と2階に2つ
も風呂があると言う。さもそれが普通
であるかのように。
多分回りが皆そんなレベルなのだろう。
彼女が俺の家を見たら卒倒するのでは
ないか?本気でそう思った。
こんな所に人が住んでるの?と。
近くの駅に行くだけでもバスで
30分以上もかかった。物凄く不便
な場所だから家賃が安かったようだ。
なので高校生になり電車通学になった
俺は学校に通うのが物凄く面倒に感じ
そして途中からグレ始めた。
それは自分の生い立ちに嫌気が差し
もう高校生活なんてどうでも
いいように思えてきたからだ。
多分そんな気持ちがきっかけでグレ
始めたと思う。それが空手に没頭する
きっかけにもなった。理不尽な社会に
ぶつけようの無い怒りが沸いて。
サンドバックを自分の拳や脛から
血が噴き出るまで叩き続けた。
それはサンドバックでは無く
資本主義という見えない相手に
対してだった。
和美と話していると俺はもう
彼女の話が上の空になっていた。
そしてこんな気持ちが沸きあがって
いた。
どうして同じ人間なのにこうも違う
のだろうと。そしてそれまで楽し
かったと思えていた俺の青春が彼女
の話を聞いて全て霞んでしまった。
生まれてきた家が違うだけでこんな
にも大きく人生が変わってしまうのか?
世の中って一体全体何なんだ!
俺が社会に出る前、金持ちになりたい。
そんな強い気持ちが植え付けられたのは
幼い頃からの回りへの劣等感や更に
この和美と出会った事で決定づけられた。
そして俺はリーマンで勉強しその後
独立して会社を立ち上げ、必ず金持ち
になってやる。
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