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青春編160
「人を愛するという気持ち」


「和美を好きにさせたのなら責任
 取ってよ!」

和美の友達の瑞枝とかいう女が凄い
剣幕で俺にそうまくし立てた。

「責任?」
「何の?」

俺は彼女が何をそんなに怒っているの
か理解不能だった。

子供が出来た何て言われたなら
それならそれでピンときたけど・・・。

そもそも和美とは食事にしか行った
事が無い。

不思議だった。

俺は和美に対して確かに惹かれ始めて
いたが、諦めがつかない程好きになって
いたりはしなかった。

ところが、目の前の瑞枝が和美が食事も
喉が通らない程俺を好きになったので
責任を取れと言っている。

俺は状況が全く分からなかったので
「一度和美に電話する。」
そう言ってこの憤慨やるかたない
友達とやらにお引き取り願った。

バイトを終え、俺はその夜、和美に
電話した。彼女が出たので、その日
の彼女の友達の事を話した。

彼女は知らなかったようで、俺に
ごめんなさいと詫びてくれた。

俺が何か話そうとすると突然
電話の向こうですすり泣く声が
聞こえてきた。

和美?

そう問いかけても何も答えない。
いや、答えられないようだった。

俺は彼女がそこまで自分の事を想って
いてくれた事に驚き、そして突然
愛しい気持ちが沸きあがってきた。

後日何故あの時泣いたのか?
そう聞くとM君の声がまた聞けた
からと・・・。

俺はその答えが胸に刺さった。大学生
になり、女に恵まれていた俺は
女は抱くものだと思っていただけなの
だが、この和美は俺の胸の中に一気に
入り込んできた。

恋愛など俺には無関係の事だと思って
いたのに、人を愛するという事をこの
和美が教えてくれた。

電話の向こうで泣いている和美に俺は
こう言った。

「また、会おうか。」

すると彼女が「うん。」と涙声で言い
直ぐにその声が号泣する声に変わった
のが聞こえてきた・・・。

俺は黙ったまま、その泣き声を聞いて
いた。


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