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タイ編150
「言葉巧みに引き込まれて」


彼らは劇場型のシナリオを組んで
俺を囲い込んできた。しかし実は
主犯格はオノイでショウダは単に
彼に利用されただけだと後に知った。

ショウダはどういう経緯でオノイの
女になったかは定かで無かったが
結局はオノイに惚れてしまって
利用されただけだった。

このオノイというレストランシェフは
典型的な詐欺師だった。しかし詐欺に
見えないところが凄いと思えた。

いや、だからこそ詐欺師なのだ。
騙される側は騙されていると気付か
ない。

俺はショウダと仲良くなり、訪タイの
度に彼と飲みに行った。

彼は本当に人柄が良く、まさか彼が
俺を騙そうなんてしているとは
思いもよらなかった。

それは彼自身がオノイに騙されていた
ので、罪悪感など無かったからだ。

俺が初めてオノイの店に行ってから
オノイとも親しくなれた。

ショウダもそうだったが、オノイも
とても親切だった。

3人で飲みに行った帰りも、オノイは
自分のバイクで俺をホテルまで送って
くれた。

俺はそんな2人に惹かれていった。

「俺にはタイに住んでいる友達が
 出来たんだ。」

そんな喜びが俺の胸の中に広がった。
しかし、これが実は危険だったりする。

海外では本当に相手の素性や生活背景
を知るまで相手を完全に信用しては
いけない。

しかし、タイに憧れていた俺はタイに
移住していたこの2人をあっさりと
信用してしまった。

しばらくするとオノイがレストランを
止め独立するという話が飛び出した。

ショウダからその話を聞かされた時
俺は単純に「オノイさんって凄いな!」
そう思った。

オノイと話す機会がありどうして独立
するのかと聞くと「雇われでは給料が
知れてる。」「なので以前から独立を
考えていた。」

そう言われ、俺も同じ考えで独立した
ので物凄く共感できた。

リーマン時代いくら営業成績が良くて
も成績の悪い人間と
給料が同じだった
のが気に食わなかった。

いや、先輩達よりもむしろ低かった。
それは年功序列賃金であったからだ。

そして訳の分からないルールで8時間
は会社にいろと言う。5時間で終わる
仕事をわざわざ間延びさせ8時間会社
にいる意味に疑問を抱いていた。

終わればさっさと帰ればいいじゃ
ないか。その方が仕事に精が出る。
早く終われば早く帰れる方が効率が
上がるに決まっている。

馬鹿馬鹿しいルールだと何時も
思っていた。

俺は独立して自分の店を出すという
オノイを応援したくなった。

しかし、それも巧みに仕掛けられた
罠だった。

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