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タイ編152
「化け物達の店」


何度かショウダと会っていると
ゴーゴーに行かなくなった。

それはある時「僕の行きつけの
店に行きませんか?」

そうショウダにリクエストされた
のが始まりだった。

俺は彼ならタイに住んでいるので
そんな店があるのは当然だろうと
思い快くOKした。

彼が連れて行ってくれた場所は少し
繁華街から離れていた。

俺はさすがタイに住んでいると
こんな場所をよく知っているなと
感心した。

しかし到着してみると、何だか
こじんまりとした昭和の路面スナック
のような店で、中に入ると出迎えた
スタッフ達に驚いた。

そこはまさにゲイバーだったからだ。
それもLBのような可愛さなど全く無い。

本当に男が無理やり化粧して女のふり
をしているそんな化け物屋敷であった。

固まっている俺を尻目に、ショウダは
常連らしく皆ににこやかに迎え入れ
られていた。

背の高い化け物や横に太い化け物が
それぞれ思い思いにド派手なメイク
を施し、それがまたこの化け物度を
一層際立たせていた。

俺は寒気がしながら店に招かれたが
ショウダはまるで我が家に帰って
来たような笑顔であった。

しかし、それでもまだ俺はこの時
彼がゲイである事に気づいていな
かった。

それは過去、自分の友人や知り合いに
そんな人物がいなかったからだ。

異次元の出来事は実際に体験するまで
ピンとこないものだ。そんな人間が
いるとは知識で知っていても。

彼がにこやかに化け物達と会話して
いる、俺はその横でこの異空間の
中で茫然としていた。

黙ってビールを飲んでいた俺に
ショウダがこう言った。

「どう?この店凄くいいでしょう?」

化け物達も俺の答えに期待している
ような目でこちらを見ていた。

俺は口にビールを当てたままどう答え
ようかあぐねた・・・。


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