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タイ編153
「場末感MAX」
店の中に化け物は5人程いた。
皆、ある意味個性派揃いだ。
不思議と同じようなタイプはいない。
店はカウンターと奥に小さなBOX席
のある粗末な店だった。
奥の席にはファランらしき人物が一人
座り、その両サイドにそれぞれ
化け物が相手をしていた。
普段タニヤのカラオケで目が肥えて
いる俺にはどうみても場末感MAX
のお化け屋敷の店だった。
店内のディスプレイも折り紙で
作ったような切り文字が壁に貼られ
紙で作られたループがいくつも
繋ぎ合わされた色とりどりのテープ
が申し訳程度に飾られていた。
まるで幼い頃通った幼稚園の教室
の壁のようだった。
「どう、この店いいでしょう?」
ショウダが俺にそう聞くとカウンター
にいた2人とショウダの横に座った
ママのような化け物が俺の口元に
注目した。
もしかするとこの俺も店の常連に
なってもらえるかも知れないという
ような期待に溢れた目だった。
このような特殊?な店は紹介や
口コミでないと客がつかないで
あろう。
観光客はまず解らない場所だった。
今ほどネットで店の紹介も多く
ない時代だ。
俺は唇に当てていたビールをしばらく
固定し、何て答えようか考えた。
変な事を言えば彼の面子が潰れる。
かと言って俺が仮に褒めるとこの
化け物達が寄って来るかも知れない。
俺は頭をフル回転させこう言った。
「こんな店初めてでびっくりしました。」
我ながら無難な答えだと思えた。
しかし、彼ら?は俺の答えに喜んで
くれていたようだ。
笑顔でタイ語で何か盛りあがっていた。
その後はショウダと彼らがタイ語で
やり取りしていたので、俺は黙って
それを見ていた。
俺はこの時自分がタイ語が出来ない
事に感謝した。何故なら化け物達が
俺がタイ語が話せないと知ると
興味を失ったようにショウダに
まとわりついてくれたからだ。
俺は多少の英語は出来たが
それさえ封印し、日本語だけで
彼らに対応した。
すると直ぐに諦めてくれた。
ほっと胸をなでおろした。
ただ、ショウダは本当に駐在員で
あったようだ。何故なら彼は流暢に
タイ語を話せた。
だからこそ俺は彼を信用してしまった
のだが・・・。
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「場末感MAX」
店の中に化け物は5人程いた。
皆、ある意味個性派揃いだ。
不思議と同じようなタイプはいない。
店はカウンターと奥に小さなBOX席
のある粗末な店だった。
奥の席にはファランらしき人物が一人
座り、その両サイドにそれぞれ
化け物が相手をしていた。
普段タニヤのカラオケで目が肥えて
いる俺にはどうみても場末感MAX
のお化け屋敷の店だった。
店内のディスプレイも折り紙で
作ったような切り文字が壁に貼られ
紙で作られたループがいくつも
繋ぎ合わされた色とりどりのテープ
が申し訳程度に飾られていた。
まるで幼い頃通った幼稚園の教室
の壁のようだった。
「どう、この店いいでしょう?」
ショウダが俺にそう聞くとカウンター
にいた2人とショウダの横に座った
ママのような化け物が俺の口元に
注目した。
もしかするとこの俺も店の常連に
なってもらえるかも知れないという
ような期待に溢れた目だった。
このような特殊?な店は紹介や
口コミでないと客がつかないで
あろう。
観光客はまず解らない場所だった。
今ほどネットで店の紹介も多く
ない時代だ。
俺は唇に当てていたビールをしばらく
固定し、何て答えようか考えた。
変な事を言えば彼の面子が潰れる。
かと言って俺が仮に褒めるとこの
化け物達が寄って来るかも知れない。
俺は頭をフル回転させこう言った。
「こんな店初めてでびっくりしました。」
我ながら無難な答えだと思えた。
しかし、彼ら?は俺の答えに喜んで
くれていたようだ。
笑顔でタイ語で何か盛りあがっていた。
その後はショウダと彼らがタイ語で
やり取りしていたので、俺は黙って
それを見ていた。
俺はこの時自分がタイ語が出来ない
事に感謝した。何故なら化け物達が
俺がタイ語が話せないと知ると
興味を失ったようにショウダに
まとわりついてくれたからだ。
俺は多少の英語は出来たが
それさえ封印し、日本語だけで
彼らに対応した。
すると直ぐに諦めてくれた。
ほっと胸をなでおろした。
ただ、ショウダは本当に駐在員で
あったようだ。何故なら彼は流暢に
タイ語を話せた。
だからこそ俺は彼を信用してしまった
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