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取り合えず俺はステーキにする
事にした。お気にはメニューを
見ていたが中々決まらなかった。

いや、そもそもタイ料理が無い
ので決められなかったようだ。

結果俺と同じステーキにした。
まぁ、無難な選択だった。

オーダーをスタッフに言おうと
するとショウダが嬉しそうに
テーブルに近づいて来てオーダー
を聞く。

壁際にいる5人のスタッフは何の
為にいるんだ?俺は笑いそうになる。

どうやら今夜オープン初日で俺達が
初めての客のようだった。

その為ショウダは嬉しくてつい
自分でオーダーを聞きに来たようだ。

しかし、知り合いだからこそ新しい
スタッフに練習させるべきではない
のか?俺はこの時そう思った。

オーダーを頼んだ後、俺は店内を
見渡した。内装は綺麗にしていたが
多分壁のクロスを張り替えたから
だろう。

店自体は感じはよかったが、カジュ
アルな雰囲気で高級と迄はいかな
かった。

「いい店ですね。」

そうお世辞を言うとショウダが
「そうでしょう。」
と凄く嬉しそうに言った。

そして店は居抜きで見つける事が
出来たが、全て込みで500万程
掛かったと言った。

俺は驚きと共に第3の違和感を
感じた。それは居抜きの店に
タイで500万?

保証金が高かったのか?

俺は以前自分でチェーン店を
経営していた。なので出店に
関してはプロだ。

内装費などはざっとみると
大体の概算が分かる。

飲食で値段が張るのが厨房だが
それも以前ここは飲食店で
あったので、そのまま使えて
いると言った。

多分テーブルや椅子も以前の
ままだろう。テーブルには
安いビニール素材のテーブル
クロスが掛けられているだけ
だった。

保証金がいくらか分からな
かったが、仮に居抜きなら俺が
見積もったところ100万も
掛からないであろうと思えた。

それが500万だと?

「ショウダさんはどのくらい
 出資したのですか?」

彼がこの店に友人?として出資
していると聞いたので質問すると

「全額です。」

そんな驚きの答えが返ってきた。


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