livedoor Blog 恋愛 2位/45888
タイ編169
「全ての始まり」
ショウダの変わり果てた姿に俺は
驚いた。痩せた上に貧相な恰好を
していたのでまるでタイの出稼ぎ
労働者のように見えたからだ。
俺達は近くの焼き鳥屋に入った。
プロンポンは日本の駐在員が多く
住んでいるエリアだ。なので日本
料理店が多く存在する。
お俺達は席に座り、久々の再会に
乾杯した。しかしショウダは全く
元気が無かった。ただ、その理由
は俺には想像がついた。
乾杯の後、彼は何から話そうかと
考えあぐねているようだった。
俺は彼が話し出すまでビールを
ゆっくり飲み待っていた。
すると何かを決心したように彼が
口を開きだした。
ショウダの一言目はこれだった。
「Mさん、僕は騙されました。」
この言葉でようやく彼が気づいた
のだと分かった。既に遅かったの
だが・・・。
彼が話す内容は、ほぼ俺が考えて
いた通りだったが、しかしそれ
以上の凄い話だった。
ショウダは最初、オノイの店に
偶然行ったそうだ。そこで食べた
料理が旨くて気に入り通うように
なった。
ここまでは別段よくある話だ。
オノイの店で彼と少しづつ会話
するようになり、段々と彼と
仲良くなったと言った。
ショウダの言うところの仲良くは
本当のところは恋人になったという
意味だろう。
ただ、当然２人の関係については
俺には言わなかった。まぁ、それは
そうだろう。
そしてオノイが今の店の待遇に不満
を抱いていて、自分で独立したい
ような話をショウダに持ち掛けてきた。
オノイが言うには自分はタイで雇われ
の身でほとんど蓄えが無い。誰かが
スポンサーになってくれれば店は必ず
成功させる自信があると言った。
ショウダは彼の料理に惚れていた
ので（実はオノイ自身に惚れていた）
自分が出資してやりたい気持ちに
なったと言う。
オノイは毎月３００万ぐらいの
利益は出せる自身があると言った。
それをショウダは鵜呑みにした。
３００万の１０％なら毎月３０万だ。
１年半もあれば元金は取り戻せ
更にはその後からは毎月その利益が
自分の物になる。
しかし、３００万の純利など考えれ
ば直ぐに無理だと分かる筈だ。
ショウダは駐在員時代無駄使いを
せずこつこつ金を貯めていた。
駐在員は日本とタイの２重給料を
貰える企業が多い。
おまけにショウダは独身だ。
そしてタイで１番危ない浪費は
女遊びだ。簡単に女が手に入る
ので、そこに男達は浪費してしまう。
ところが幸いにもショウダはゲイで
女に興味が無い。それにゲイの店は
安い。
なので、時折遊んでもたかが知れて
いた。そうして彼は１０００万近く
金を貯める事が出来た。
そしてオノイの話術にハマった。
ただ、ショウダもオノイに惚れて
いなければ、こんな話にそもそも
乗らなかっただろう。
ところが惚れた弱みだ。惚れた相手
が今の現状を嘆いて独立したいと
言えば何とかしてやりたいと思った
のだろう。
男達がタイの夜嬢に溺れてしまうが
如く。お母さんが病気だと言われ
直ぐに鵜呑みにして送金してしまう
のと似ている。
オノイはまずショウダを自分に惚れ
させる。この詐欺の絵図の全ては
ここから始まっていた・・・。
ある意味この仕組まれた絵図は凄い
と思えた。
ただ、俺はこの時思った。それは
この絵図はタイの夜嬢からヒントを
得たのではないのかと・・・。
夜嬢に惚れ、のめり込み、身ぐるみ
剥がされる話はタイではよく聞く話
だからだ。
ショウダの話はこれと全く同じで
あった。オノイはこれをヒントに
絵図を書いたのかも知れなかった。
クリック応援してね！
にほんブログ村
タイ編169
「全ての始まり」
ショウダの変わり果てた姿に俺は
驚いた。痩せた上に貧相な恰好を
していたのでまるでタイの出稼ぎ
労働者のように見えたからだ。
俺達は近くの焼き鳥屋に入った。
プロンポンは日本の駐在員が多く
住んでいるエリアだ。なので日本
料理店が多く存在する。
お俺達は席に座り、久々の再会に
乾杯した。しかしショウダは全く
元気が無かった。ただ、その理由
は俺には想像がついた。
乾杯の後、彼は何から話そうかと
考えあぐねているようだった。
俺は彼が話し出すまでビールを
ゆっくり飲み待っていた。
すると何かを決心したように彼が
口を開きだした。
ショウダの一言目はこれだった。
「Mさん、僕は騙されました。」
この言葉でようやく彼が気づいた
のだと分かった。既に遅かったの
だが・・・。
彼が話す内容は、ほぼ俺が考えて
いた通りだったが、しかしそれ
以上の凄い話だった。
ショウダは最初、オノイの店に
偶然行ったそうだ。そこで食べた
料理が旨くて気に入り通うように
なった。
ここまでは別段よくある話だ。
オノイの店で彼と少しづつ会話
するようになり、段々と彼と
仲良くなったと言った。
ショウダの言うところの仲良くは
本当のところは恋人になったという
意味だろう。
ただ、当然２人の関係については
俺には言わなかった。まぁ、それは
そうだろう。
そしてオノイが今の店の待遇に不満
を抱いていて、自分で独立したい
ような話をショウダに持ち掛けてきた。
オノイが言うには自分はタイで雇われ
の身でほとんど蓄えが無い。誰かが
スポンサーになってくれれば店は必ず
成功させる自信があると言った。
ショウダは彼の料理に惚れていた
ので（実はオノイ自身に惚れていた）
自分が出資してやりたい気持ちに
なったと言う。
オノイは毎月３００万ぐらいの
利益は出せる自身があると言った。
それをショウダは鵜呑みにした。
３００万の１０％なら毎月３０万だ。
１年半もあれば元金は取り戻せ
更にはその後からは毎月その利益が
自分の物になる。
しかし、３００万の純利など考えれ
ば直ぐに無理だと分かる筈だ。
ショウダは駐在員時代無駄使いを
せずこつこつ金を貯めていた。
駐在員は日本とタイの２重給料を
貰える企業が多い。
おまけにショウダは独身だ。
そしてタイで１番危ない浪費は
女遊びだ。簡単に女が手に入る
ので、そこに男達は浪費してしまう。
ところが幸いにもショウダはゲイで
女に興味が無い。それにゲイの店は
安い。
なので、時折遊んでもたかが知れて
いた。そうして彼は１０００万近く
金を貯める事が出来た。
そしてオノイの話術にハマった。
ただ、ショウダもオノイに惚れて
いなければ、こんな話にそもそも
乗らなかっただろう。
ところが惚れた弱みだ。惚れた相手
が今の現状を嘆いて独立したいと
言えば何とかしてやりたいと思った
のだろう。
男達がタイの夜嬢に溺れてしまうが
如く。お母さんが病気だと言われ
直ぐに鵜呑みにして送金してしまう
のと似ている。
オノイはまずショウダを自分に惚れ
させる。この詐欺の絵図の全ては
ここから始まっていた・・・。
ある意味この仕組まれた絵図は凄い
と思えた。
ただ、俺はこの時思った。それは
この絵図はタイの夜嬢からヒントを
得たのではないのかと・・・。
夜嬢に惚れ、のめり込み、身ぐるみ
剥がされる話はタイではよく聞く話
だからだ。
ショウダの話はこれと全く同じで
あった。オノイはこれをヒントに
絵図を書いたのかも知れなかった。
クリック応援してね！
にほんブログ村
