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青春編163
「初めての夜に和美が泣いた」

今の時代なら若い女性達も性の
解放が進み、自分の経験人数など
平気で口にするようになってきたが

昭和50年代などまだまだ女性達の
貞操観念は強く、初めての相手は
結婚する人で無いと駄目と決めて
いる女性も多かった。

仮に自分がバージンを失っても
絶対に隠し通す時代でもあった。

俺は痩せて魅力の無くなった和美が
面倒に思った。友達の瑞枝がバイト
先に乗り込んで来て、ギャーギャー
騒ぐから会ってやっただけなのだ。

なので、目の前の和美に諦めさせ
ようとわざと食事に行っていいけど
泊まりで無いと行かないよ。

そう言ってやった。

こんなストレートな言い方だと
この頃の女性なら先ず断ってきた
からだ。

私の体が目当てなの?
そう間違い無く怒って帰った筈だ。

和美とはそこまで行くような互いの
関係がまだ築けてなかったので
これで彼女が俺が体目当てだと知り
興覚めすると思っていた。

いや、この先に起こる出来事を考え
るとこの時点で断って欲しかった。

しかしこの俺の言葉に彼女は

「泊まってもいいよ。」と答えた。

俺は正直この時動揺した。

それは俺が過去に相手にしたレディ
とは別の世界に住んでいるレディ
だったからだ。

こんなお嬢様が俺に体を許すだと?
俺の心の中でこんな驚きが起きた。
それも和美は生粋のバージンだ。

後に和美がカミングアウトしたの
だが、仮にもし俺に誘われたら
OKしようと既に心の中で決めて
いたそうだ。

そんな覚悟だった彼女に軽薄な
俺は、そんな女心を踏みにじった。

この頃の若い女性達は避妊は全て
男任せだった。なのでそのような
行為には必ず妊娠のリスクが
付いてまわった。

ゴムは必ず付けてね。そんな言葉
を言うのが恥ずかしいと思って
いた時代だからだ。

だからこそ、この時代のレディ達は
慎重であったのかも知れない。
そんなリスクもあったので。

和美も俺に身を委ねる事は、妊娠の
リスクも当然分かっていた筈だ。

俺は彼女の返事に動揺したが
それなら今後も会ってやっても
いいかと思った。

何故ならしばらくは性処理に困らない
なと、そんな低俗な考えでだ。

しかし、こんな考えは和美と初めて
結ばれた夜に吹き飛んだ。

俺自身のクズのような考えが彼女に
塗り替えられるのだ。

それは和美がその夜、結ばれた時に
泣いたからだ。一つになれた事が
嬉しいと言って。

泣きながら俺をじっと見ていた。

その涙はダイヤよりもピュアで
美しい涙だった。

俺はその涙で自分のクズのような
心が洗われていった。


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