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青春編166
「和美の初めての大きな代償」


全ての行為を終えた俺の下で和美は
泣いていた。

俺は突然の彼女の涙に驚いた。

「どうした?痛かった?」

女の誰もが初めての時は痛いと
そのように聞いていたので
和美もまた、あまりの痛さに泣いた
のかと思った。

彼女は何も言わず小さく首を振った。
俺はまだ、彼女の上になったまま
聞いた

「どうした?」

俺はこの体制が好きだ。
何故なら女を組み伏して征服した
感が最も得られる体制だからだ。

今、まさに俺はこの女を貫いて
やったのだと。

和美が言った。

「嬉しかったの・・・。」

俺はこの言葉に

「はぁ?嬉しかった?」
「何がだ・・・。」

まるで場違いに聞こえる彼女の
言葉を直ぐに理解出来なかった。

「嬉しい?何がや?」

そう聞き返すと

「M君に私の気持ち伝えられたから。」

俺はこの瞬間この言葉に衝撃を受けた。

それは和美がこの後、自分の初めて
を俺に捧げる事により、自分が
どんなに俺を好きか分かって貰えたと
思うからだと言ったからだ。

反して俺は単に若い男にありがちな
性処理が出来、すっきりとしたぐらい
の軽い気持ちだった。

要は相手のこちらへの気持ちを利用
して、自分を満足させる道具として
しか彼女を見ていなかった。

これは俺に取って、資本主義という
見えない鬱憤に対しての仕返しでも
あった。

こうして女を抱いていく事でそんな
憂さを晴らしていたのだ。

ところが・・・。

俺は和美のこの涙と言葉に打たれた。
そして途端に自分の心の卑しさが
情けなくなった。

俺はここで気づいたのだ。

自分は貧しさを憎いと思っていた
にも関わらず、自分の心まで
貧しく染まっていた事に・・・。

和美は本当に純粋だった。

俺が単に性処理の相手だとしか
思っていなかった彼女だったのに

反して彼女は一大決心をして俺に
初めてを捧げようと、親にまで
言って覚悟してこの夜に臨んでいた。

昭和50年代。女性の初めての相手
は結婚する人。そう決めている女性
が多くいた中で、和美は俺の事が
どれだけ好きか分かって欲しいが為に
俺に自分を差し出してくれたのだ。

彼女が生まれて初めて人から与えらず
自分で代償を支払い、手に入れたく
なった物が俺だった。

そんな彼女の初めてを軽く扱った
俺にはこの後天罰が下る事になる。

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