livedoor Blog 恋愛 2位/45889
青春編172
「歪んだ嫉妬の代償」
俺の親戚一同は皆、裕福であった。
何故か俺の家だけが貧しい。
その事が不思議だった。
何故?俺の家だけが貧しいのかと。
俺の親戚は医者や会社役員など
それなりの地位にいる人達だった。
なので、当然大きな家に住んでいて
皆、車も所持していた。
その甥っ子が新車を買うので今
乗っている車を買わないかと
言ってきた。
普段ならそんな贅沢な事は絶対に
興味など持たなかったが、和美に
車が無い事を暗に批判された事で
俺はその話に飛びついた。
金額も丁度俺が貯めていた50万
だった事も手伝った。
甥っ子が乗っていたのは当時大人気
のマークⅡだった。
昭和世代の車好きなら誰もが知って
いる丸目ライトの人気車だ。
甥っ子は車好きで車内のオーディオ
関係にかなり金を掛けていた。
ところが、車の下取りはそんなものは
査定に入れてもらえない。二束三文
の評価でカウントされる。これは
ナビなどの装備もそうだ。
甥っ子はその評価が嫌で車を持って
いなかった俺に声を掛けてきた。
甥っ子が車を持って来てくれた。
車内に乗ると確かに物凄くいい音だ。
俺は車を購入してからはしばらく
駐車場の車の中で音楽を聴いていた程
彼が付けたオーディオは素晴らしかった。
俺はこの車を買う事にした。全ては
和美の一言の為に。
そして車を買って和美に電話した。
「俺、車買ったんやわ。だから俺が
ゼミのホテルまで送ったるわ。」
そう言うと和美が喜んでくれると
思っていた。俺の車で行く事に。
ところが・・・。
「えーそんな無理言わんといて。」
「もう、友達に頼んだんやから。」
「何言うてんねん!お前の為にこう
たんやぞ!」
俺が怒気を含んだ言葉で言うと
「誰もそんな事頼んでないやん!」
彼女が珍しく言い返してきた。
「なんやねん、それ!」
「だって、今更断られへんやん。」
そんなもの簡単に断れる筈だ。
ごめん、彼氏が車買ったからと。
和美の為になけなしの金をはたいた
のに彼女の言葉に俺は物凄い怒りが
沸いてきた。
「もうええわ!」
俺はそう言って電話をきった。
俺の記憶ではそれが初めての2人の
喧嘩であったような気がする。
そこから段々と俺達は喧嘩が増え始め
すれ違いが始まったと思える。
和美は当初、俺に惚れたのだが、回り
の友達の彼氏とあまりにも違う俺に
ひけめでも感じ始めたのかも知れな
かった。
俺は普段乗るあても無い車を買った
為、自分が必死で貯めた貯金を全て
失ってしまった。
その原因は「嫉妬心」だった。
他の男が持っている車に乗せてもらう
その言葉に俺は猛烈に嫉妬したのだ。
そしてこの気持ちは40年以上も
経った今でも、俺の恋心の一番醜い
部分として常に存在している。
「嫉妬心」
俺がその醜い気持ちを強く持っている
事に気付いたのがこの時の出来事から
であった。
クリックして応援してね。
にほんブログ村
青春編172
「歪んだ嫉妬の代償」
俺の親戚一同は皆、裕福であった。
何故か俺の家だけが貧しい。
その事が不思議だった。
何故?俺の家だけが貧しいのかと。
俺の親戚は医者や会社役員など
それなりの地位にいる人達だった。
なので、当然大きな家に住んでいて
皆、車も所持していた。
その甥っ子が新車を買うので今
乗っている車を買わないかと
言ってきた。
普段ならそんな贅沢な事は絶対に
興味など持たなかったが、和美に
車が無い事を暗に批判された事で
俺はその話に飛びついた。
金額も丁度俺が貯めていた50万
だった事も手伝った。
甥っ子が乗っていたのは当時大人気
のマークⅡだった。
昭和世代の車好きなら誰もが知って
いる丸目ライトの人気車だ。
甥っ子は車好きで車内のオーディオ
関係にかなり金を掛けていた。
ところが、車の下取りはそんなものは
査定に入れてもらえない。二束三文
の評価でカウントされる。これは
ナビなどの装備もそうだ。
甥っ子はその評価が嫌で車を持って
いなかった俺に声を掛けてきた。
甥っ子が車を持って来てくれた。
車内に乗ると確かに物凄くいい音だ。
俺は車を購入してからはしばらく
駐車場の車の中で音楽を聴いていた程
彼が付けたオーディオは素晴らしかった。
俺はこの車を買う事にした。全ては
和美の一言の為に。
そして車を買って和美に電話した。
「俺、車買ったんやわ。だから俺が
ゼミのホテルまで送ったるわ。」
そう言うと和美が喜んでくれると
思っていた。俺の車で行く事に。
ところが・・・。
「えーそんな無理言わんといて。」
「もう、友達に頼んだんやから。」
「何言うてんねん!お前の為にこう
たんやぞ!」
俺が怒気を含んだ言葉で言うと
「誰もそんな事頼んでないやん!」
彼女が珍しく言い返してきた。
「なんやねん、それ!」
「だって、今更断られへんやん。」
そんなもの簡単に断れる筈だ。
ごめん、彼氏が車買ったからと。
和美の為になけなしの金をはたいた
のに彼女の言葉に俺は物凄い怒りが
沸いてきた。
「もうええわ!」
俺はそう言って電話をきった。
俺の記憶ではそれが初めての2人の
喧嘩であったような気がする。
そこから段々と俺達は喧嘩が増え始め
すれ違いが始まったと思える。
和美は当初、俺に惚れたのだが、回り
の友達の彼氏とあまりにも違う俺に
ひけめでも感じ始めたのかも知れな
かった。
俺は普段乗るあても無い車を買った
為、自分が必死で貯めた貯金を全て
失ってしまった。
その原因は「嫉妬心」だった。
他の男が持っている車に乗せてもらう
その言葉に俺は猛烈に嫉妬したのだ。
そしてこの気持ちは40年以上も
経った今でも、俺の恋心の一番醜い
部分として常に存在している。
「嫉妬心」
俺がその醜い気持ちを強く持っている
事に気付いたのがこの時の出来事から
であった。
クリックして応援してね。
にほんブログ村